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ぐり不動産の行う「宅地建物取引業」とは?

 こんにちは、伊根町にも台風14号が接近中で、だいぶ風が強くなってきましたが、皆様は安全にお過ごしでしょうか?今回は、あまり聞き慣れない「宅地建物取引業」とは?というテーマで書かせて貰えたらと思います。

 伊根町には、これまで不動産屋がありませんでしたので、町民の皆さんも、おそらく、どんな仕事をするのか?どんな費用が発生するのか?など、疑問に持たれるかたも多くいらっしゃるのではないかと思います。そこで、今回は、「宅地建物取引業」とは?と題して、簡単に概要を説明させて頂けたらと思います。

ぐり不動産の行う「宅地建物取引業」とは?

  • 1・宅地建物取引業を営むために必要な3つのこと
  • 2・仲介手数料はどのくらいかかるのか?
  • 3・直接取引(個人間売買)と何が違うのか?

1・宅地建物取引業を営むために必要な3つのこと

 一般的に「不動産屋」と言われていますが、そのおおよそは、正式には「宅地建物取引業者」となります。(※賃貸管理などだけ行う、宅建業の資格を有しないで不動産屋さんも存在します。)

「宅地建物取引業」とは、次の業務を行うものとされています。

<宅地建物取引業者が行う主な3つの業務>

  • 宅地・建物の売買または交換
  • 宅地・建物の売買、交換または賃借の代理
  • 宅地・建物の売買、交換または賃借の媒介

 「宅地建物取引業法」という法律に則って、専任の「宅地建物取引士」を備えて、都道府県知事や国土交通大臣の許可を取得して行うことのできる仕事になります。

って、言われても良くわからないですよね。

要は、「家や土地を売りたい、貸したい家主さんと、その家や土地を買いたい、借りたいお客様を繋ぐこと」がお仕事です。

 軽く歴史を遡ると、戦後の日本では住宅不足が深刻な状態であり、土地や建物の取引が盛んになった背景があります。その当時は、不動産業者を規制する法律がなく、戦後の混乱の中で無法状態となり、悪徳業者が横行していたようです。それらを改善するため、昭和27年に「宅地建物取引業法」が制定されました。

 つまり、医者、弁護士、一級建築士と同様に、人の生命や財産に関わる重要な仕事として、国家資格である「宅地建物取引士」が事務所に常駐して、「安全で公正な不動産取引を行う」ことを目的としている仕事ということになります。

 それでは、宅地建物取引業を開業するためには、どのようなことが必要になるでしょうか? ざっくりと下記の3つになります。

<宅地建物取引業を開業するために必要な3つのこと>

  • A・営業保証金の供託
  • B・事務所の設置
  • C・専任の宅地建物取引士の設置

A・営業保証金の供託

 宅建業を開業するには、営業保証金の供託が必要となります。営業保証金とは、不動産取引において想定外のトラブルが発生した際に、「買い手」や「宅建業者」を守ってくれる「保険金」のようなものです。新たに主たる事務所を開設する際は、基本的には「1000万円」の営業保証金を法務局に供託(預けておく)する必要があります。しかし、全国で4つほどある不動産関連の保証協会のいずれかに加入することで、「60万円」の弁済業務保証金の納付に代えることもできます。ぐり不動産の場合は、後者の弁済業務保証金の納付をする予定です。

B・事務所の設置

 宅建業を開業するには、その法律の要件に沿った事務所を開設する必要があります。設計事務所などは、自宅の1部を仕事部屋にするなどでも開業は可能ですが、不動産業の場合はそれでは開業できません。住宅の一部を使用して事務所を開設することも可能ですが、専用の出入り口があり、居住スペースと明確に分離されている必要があるのです。そのため、ぐり不動産では、新たに事務所専用の物件を賃貸して、お客様を心地よくお迎えできるように、目下、改装工事準備中です。

C・専任の宅地建物取引士の設置

 宅建業を開業するには、その従業員5人につき1名以上の専任の宅建士を常駐させなければなりません。専任の宅建士とは、その名のとおり「専任」なので、1人の宅建士が複数の不動産屋の宅建士を兼務したり、資格の名義貸しのみなどは、許されません。ぐり不動産では、最初は代表である當間本人が宅地建物取引士として、常勤する予定となっています。

2・仲介手数料はどのくらいかかるのか?

 宅建業者の主な業務は、「売主&貸主と買主&借主を繋ぐこと」と先ほど書かせて頂きましたが、その業務を一言で表現すると「仲介」ということになります。 そのため、宅建業者は、売主&貸主と、買主&借主の双方から、「仲介手数料」を受領することができます。

 それでは、ぐり不動産の様な宅地建物取引業者に仕事を依頼すると、仲介手数料はどのくらいかかるのでしょうか?仲介手数料には、売買の時と、賃貸の時と、大きく2種類に分かれることになります。

  • A・売買の仲介
  • B・賃貸の仲介

A・売買の仲介

 土地や建物の売買の場合は、売りたい人と、買いたい人を繋ぐことで取引が成立しますが、その双方、もしくは、その一方から、売買金額に応じた下記の手数料が上限額として宅建業法に定められています。

ただし、400万円以下の土地・建物(以下、「低廉な空き家等」)については、上記の仲介手数料に現地調査費を加算して、売り主に対してのみ、上限金額を19.8万円(税込)をすることができるようになっています。

例えば、100万円で土地付き建物を売却希望の売り主さんからの仲介の依頼があった場合

元々の算出表に基づくと、売り主さんから受領できる仲介手数料の上限は

原則:100万円☓5.5%= 5.5万円(税込)→ 売主さんに頂くことのできる仲介手数料 5.5万円(税込)

となります。しかし、空き家を調査して、必要に応じて諸官庁で調べ物をして、重要事項説明書や、契約書の作成など、安全に買い主さんにお渡しするまでに、多くの業務があります。ましてや、都心のマンションの売買なら、新築時の書類も一式揃っているので、そこまで手間は掛かからないと思いますが、むしろ、伊根町のような田舎に行けば行くほど、新築時の書類があることの方が稀で、売買価格が安い割に、調査の手間がかかる事の方が多いのです。そこで、「廉価な空き家等」に対する報酬が、国土交通省により見直され、すでに社会課題となっている、「空き家」の流通を促しているのです。そうしないと、どの不動産屋も「廉価な空き家」の仲介をしたがらなくなってしまうからです。

特例:100万円 →「低廉な空き家等」に該当 → 売主さんに頂くことのできる仲介手数料 + 現地調査費 19.8万円(税込)

 伊根町では、きっと「低廉な空き家等」が数多くあるのではないかと思いますで、ぐり不動産に売買の仲介を依頼される場合は、おおよそ19.8万円(税込)が下限額となると思って頂いて良いかと思います。

※また、上記の特例は売主さんに対するものですので、100万円の物件を購入される買主さんからは、上記の表に基づく、5.5万円(税込)の仲介手数料のみとなります。

B・賃貸の仲介

 一方、賃貸の方はどうかというと、売買よりもシンプルで、賃料の1ヶ月分が宅建業者の報酬の上限となっています。そして、原則としては、下の表の様に、貸主さん0.5ヶ月分と、借主さん0.5ヶ月分と、負担割合が一緒になっています。

 しかし、例外として、仲介依頼の成立までに借主の承諾があれば、下の表の様に、借主からのみ1ヶ月部分を報酬として受け取ることも可能になっています。伊根町の隣にある京丹後市では、いわゆる地域の商慣習で、下図の様に、借主さんから1ヶ月分を受領するケースが一般的になっているようです。

 ぐり不動産では、基本的に貸主と借主の双方から、0.5ヶ月分づつという原則に基づいて、仲介料を頂けたらと考えておりますが、近隣の不動産屋さんと連携して、借主の募集も行うケースもあろうかと思いますので、その都度、ケースに応じて、調整を図れたらと考えています。

3・直接取引(個人間売買)と何が違うのか?

 伊根町では、これまで不動産屋が存在していなかった訳で、どのようなに不動産取引をして来たのでしょうか?そのほとんどが、直接取引(個人間売買)によるものでしょう。別に不動産屋がいなくても、合法的に、不動産の売買や賃貸を行うことは可能ですが、それぞれのメリットがあるので下比較してみましょう。

<直接取引のメリット>

  • A・仲介手数料がかからない
  • B・売買している情報が露出しづらい
  • C・知り合い間の取引で調整がしやすい

A・ 仲介手数料がかからない

 直接取引の最大のメリットは、なんといっても、上記で説明させて頂いた仲介手数料がかからないことにあると言えるでしょう。ただし、売買の場合は、少なくとも、司法書士さんにお願いして、不動産の所有権の移転手続きを行う必要がでてきます。

B・売買している情報が露出しづらい

 直接取引の場合、そのほとんどが、知り合い間での取引になるため、その物件情報が露出することがなく、周囲の目線を気にされる方にはメリットが多い可能性があります。

C・知り合い間の取引で調整がしやすい

 知り合い間での取引の場合、全く属性の異なる第三者との取引と異なり、ある程度の細かい事柄については、つーかーで、合意しやすく、取引がスムーズに進みやすい可能性もあります。

<宅建業者が仲介するメリット>

  • D・不動産情報が正確で、安全安心な取引ができる
  • E・より高値で売り・貸しできる可能性が広がる
  • F・ワンストップで解決ができる

D・不動産情報が正確で、安全安心な取引ができる

 仲介業者が入る最大のメリットは、正確で、安全安心な取引ができることにあると思います。

・そもそも、その不動産は、本当にその売り主のものなのか?

・その不動産の登記情報と現状は一致しているのか?

・その土地には、再建築が可能なのか?

・自然公園法や埋蔵文化財の有無など、今後の新築にあたっての建築条件はないか?

・土砂災害区域や、浸水洪水浸水区域など防災区域の設定があるのか?

・その売買では、どんなタイミングで、どのくらい課税されるのか?

などなど、正確で、安全安心な取引を行うためには、宅地建物取引業法、民法、建築基準法、不動産登記法、税法など、数え上げたらキリがないくらい多岐に渡る、様々な法律に関連する知識が必要となります。そのため、上記の調査を一通り行うには、それ相応の時間と知識・経験が必要となるため、当然、有料となるという訳です。

E・より高値で売り・貸しできる可能性が広がる

 また、物件を売りたい、貸したい場合、直接取引では、限られた知り合いの中から、買いたい、借りたい人を見つけなければなりませんが、不動産屋を介することで、より多くのお客さんにアプローチする事が可能になります。不動産の価格には、ある程度の相場感があるものの、商品というのはその需給関係で価格が決まります。もし、これまでの直接取引で、1件あたり300万円ぐらいが相場だった売家の売買価格が、不動産屋を介して広く購入希望者を募ることで、欲しい!と考える人が増えれば、600万円で売れることも十分にあり得ます。不動産の売買情報が、近所の方にも知れ渡ってしまうかも知れませんが、そのデメリットを補う程に、より早く、より高値で買手を見つけることができるかも知れません。

F・ワンストップで解決ができる

 都心の新築ワンルームマンションの様に、不動産の情報がすべて事前に整っている場合は、直接取引でも良いかも知れませんが、地方の不動産となると、ほとんどの情報が欠落している状態と言っても過言ではありません。その場合、まずは取引を行う前に、土地や建物の測量をしたり、隣接する土地の所有者と境界を確定させたり、相続登記や遺産分割協議を行うなど、土地家屋調査士や、司法書士と連携して、まずは、登記情報と現状を、正確に一致させるところからスタートする必要があります。

 また、スタート地点に立つことができた後も、不動産売買契約書の作成や、重要事項説明書の説明などの、宅建業者のみが可能な業務はもちろんのこと、銀行への融資のあっせん、火災保険や家財保険の案内、リフォーム工事の内容整理、適した工務店の紹介、上下水道、電気、ガス、インターネットなどの開設手続き、補助金などの紹介、などなど、やるべき事は多岐に渡ります。これらの手続きを、全て個人で知らべて、比較検討して実行していくことも、もちろん可能ですが、かなりの時間を要することでしょう。

 以上、直接取引と宅建業者が仲介した場合について、それぞれのメリットを簡単に説明させてもらいました。これまでの「直接取引」を否定するつもりは全くありませんが、特にこれから、売主さんや、貸主さんになられる方は、両方を比較しながら、ご自身にあった方法を選んでもらえたらと思います。

まとめ

ぐり不動産の行う「宅地建物取引業」とは?

  • 1・宅地建物取引業を営むために必要な3つのこと
  • 2・仲介手数料はどのくらいかかるのか?
  • 3・直接取引(個人間売買)と何が違うのか?

今回は、ぐり不動産が開業したら、実際にどんな仕事をするのか?どんな費用が発生するのか?について、掻い摘んで説明させて頂きました。少し、専門的な内容もあったため、難しく感じる方もいらっしゃったかもしれませんが、具体的な物件の相談をご希望の方は、ぐり不動産の開業前ではありますが、お気軽にご相談頂けたらと思います。

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