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伊根町内の物件が出てこない。。。

もう、まったくの筆不精で、すっかりブログの更新ができておりませんでした。。。(汗)

言い訳がましいですが、この3ヶ月間は、不動産売買に関しての地域の方々との調整や、自社物件の改装工事と賃貸の準備、そして、新しい設計のお仕事の依頼などなど、目まぐるしい日々で、ブログからだいぶ、遠ざかってしまいました。しかし、また、少しづつ、隙間を見つけてはブログをアップしていけたらと思います。m( _ _ )m

今日のお題というか、悩みは、「伊根町内の物件が出てこない」ことについてです。

先日、KBS京都さんのTV初取材を受けまして、下記のような素晴らしい紹介をしていただきました。

KBS京都さんで放送された内容(YOU TUBE 版)

こちらの動画内でも、「伊根町への移住者を10年で200人増やします!」なんて、偉そうなことを言っているのですが、とにかく、伊根町内の物件が出てこない(依頼がない)のです。。。(汗)

伊根町さんが2021年3月にまとめた、「伊根町空家等対策計画」においては、伊根町内における空き家増の要因と背景を次の4項目にまとめています。

令和3年3月 伊根町空家等対策計画 より抜粋

空き家増の問題は、当然に伊根町だけの問題ではなく、全国総じての課題なので、全般的な要因も多く含まれているように思います。

ただし、上記の中で、伊根町内特有の課題があるとすれば、下記の3点かなと思います。

伊根町の空き家が長期化する、特徴的な3つの要因

  • 1・空き家が未登記家屋であり、課税担当課も免税点以下の物件のため追跡調査をしておらず、所有者の特定ができない。
  • 2・保守的、排他的な心情をもつ方が多い。
  • 3・売買実例が少ないため、価格の妥当性が分からない。

1・空き家が未登記家屋であり、課税担当課も免税点以下の物件のため追跡調査をしておらず、所有者の特定ができない。

文章内に、「未登記家屋」や、「免税点」という聞きなれない言葉が出てくるので分かりにくいかもなので、簡単に解説すると。

未登記家屋」・・・新築した建物等を取得した人は、法務局に登記する義務(怠ると10万円以下の過料)があるのですが、その登記手続きがなされていない家屋のこと。

免税点」・・・通常、土地や家屋の所有者には、固定資産税という税金が課せられています。そして、その課税額は各自治体によって算定された「固定資産税評価額」に応じて決定されます。ただし、これには例外があり、その「評価額」が、土地だと30万円未満、建物だと20万円未満のものには、課税が免除されるのです。そして、この30万円と20万円の分岐点の価格を、「免税点」と呼んでいます。

つまり、しっかりと固定資産税が取れそうな不動産なら、役場も所有者をなんとか探し出して課税したい!となるのですが、ほぼ二束三文の土地や建物は、固定資産税を課税する対象にもならないので、役場も放置したまま。となるのです。

これは、伊根町に限らず、地方都市なら同様の状況が起きていると思いますが、ここ最近、伊根町内の空き家を調査して、登記調査も独自に行っているのですが、隣接する京丹後市などと比べると、圧倒的に伊根町内の登記のダメダメさが際立っている状況です。たとえば、「所有者が大正時代のまま」、「口頭で売買はしているが不動産登記は以前の所有者のまま」、「相続人を調べたら10人以上」、「京都府の土地の上に建物がある」みたいなことが、頻出しています。。。

伊根町内の不動産登記に触れる機会が増えてきて、切に思うことは、これまで、取引面からも、課税面からも、ほとんどノータッチだった不動産(登記情報)が多すぎるため、今後の流通に関しては、めちゃくちゃ大きな壁として、立ちはだかっているという現状です。

2・保守的、排他的な心情をもつ方が多い。

これも、伊根町に限ったことではないですが、役場の資料にも公式に記載されるぐらいですから、地方都市の中でも、比較的その傾向が強いのかなと感じています。

もちろん、親切な人や、オープンマインドな人がいることも事実ですし、伊根町そのものをくくる言葉としては、やや強すぎる表現のようにも感じます。

そして、これまでの歴史として、伊根町に移住してきた人々と元々住んでいた人々との間に、さまざまな軋轢があったことにも、起因しているようにも思います。実際に、80歳ぐらいの方が、伊根町に移住して40年近くなるのに、いまでも「私たちはよそ者だから、、、」というセリフを耳にします。

特に、伊根浦地区は、崖と海の間のわずかな土地に、小さな建物がせめぎ合っているため、車の駐車スペースや、敷地の境界などで揉めることも多いと聞いています。それだけ、希少性が高いわずかな土地だからこそ、他の地方都市と比べても、保守的、排他的な心情をもつ方が多いのかもしれません。

3・売買実例が少ないため、価格の妥当性が分からない。

伊根町にはこれまで不動産屋もなく、空き家バンクにも価格は表示されず、不動産取引はそのほとんどが直接取引(不動産屋を介さない)ため、不動産の相場が形成されにくい傾向があります。

これは、ぐり不動産や、他の宅建業者さんが、もっともっと頑張って実績を生み出していく他、改善していかないのかなと思います。しかし、伊根町内の不動産価格については、そもそもの物件数が少なく、その立地や建物の状態で、需要も大きく異なる「個別的要因」が強いため、都心のように、坪○○万円みたいに、一様に評価することがとても難しいように感じています。また、新築分譲などの物件が皆無であるため、いわゆる標準的な新築住宅での相場も形成されないのです。いっそのこと、イタリアを初めとする、ヨーロッパの都市のように、「古い建物ほど価値が高い。」そんな、独特な市場が出来ていく方が、未来が明るいのかもしれません。

まとめ

今回は「伊根町内の物件が出てこない」ということで、伊根町さんのこれまでの課題認識と重ねて、ぐり不動産に何ができるのか?を少し、考察してみました。しかし、これ!といった特効薬が見つからる訳でもなく、不動産屋さえ開業すれば放おっておいても物件情報が集まる訳でもなく、、、、伊根町内の取り扱い物件を増やせるように、自社でコツコツと、空き家の独自調査や、登記調査も行って、広報なども積極的に行くしかないかなぁと考えています。また、もし、こんな方法が有効じゃない?という提案があれば、ぜひ、コメント頂けたら嬉しいです。

ただし、民間の(しかも、移住者の)1つの企業でできることには、やはり限界があるため、近隣の宅建業者さんや、京都府宅建協会さんや、伊根町さんともできる限り、連携を強化していけたらと思う次第です。今年度の令和5年度には、伊根町さんも、再び空き家の実態調査を行うようなので、少しでも空き家について、所有者が考える機会が増えると良いなと考えています。

できることを、こつこつと。ブログも含めて(汗)

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