新年あけましておめでとうございます。昨年は、みなさまから沢山のサポートや応援を頂きまして、無事にぐり不動産を開業することができて、本当にありがとうございました。そして、開業して1ヶ月経過してみての振り返りと、今年の目標を改めて、明確にしておけたらと思います。
10年後と今年の目標について
- 伊根町に10年で200人の移住者を受け入れる
- 開業して1ヶ月の振り返りと2023年の目標
- 伊根町との連携強化も目標に
- デジタル田園都市国家構想、相続登記義務化は追い風になるか?
1.伊根町に10年で200人の移住者を受け入れる
2022年11月30日時点での、伊根町の人口は1,956人(伊根町HPより)。そして、私が開業時に設定した目標は、「伊根町に10年で200人の移住者を受け入れる」というもの。2015年の国勢調査を元にした国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、いまから10年後、つまり2033年ごろの人口は、1,280人ぐらいと推計されています。ですので、もし、10年後に新たな移住者が200人いると想定すると、200人/ 1,280人 = 15.6%もの人が、移住者によって構成されているイメージです。
しかし、現実には、移住してきたとしても、ライフステージの変化や、家族間のやむを得ない理由等で、転出してしまう人もいます。そのため、10年間で200人を受け入れることができたとしても、10年後に残っている移住者は、それを下回りますので、「およそ人口の10%程度(128人程度)が新たな移住者で構成されている」ようなイメージかなと考えています。(もちろん、理想的には200人が快適に暮らし続ける事ができるように、移住後のフォローも最大限にやっていくつもりですが。)
「伊根町に10年で200人の移住者を受け入れる」
第2期 伊根町まち・ひと・しごと創生 地域総合戦略よりに掲げられた「移住者数 5年で24人」の「約4倍」の目標は決して簡単なことではありませんが、「不動産屋が町内にない」状態から「ぐり不動産が町内にある」状態に変わることで、この目標を達成することは決して不可能ではないと考えています。伊根町は、人口が少ないため、ぐり不動産があることで、当初の計画よりも150人も多くの移住者受入れを増やすことができたなら、より多様性や柔軟性のある、活き活きとした町になるのではないかと思います。ただし、移住者が地域にとって必ずしも良い側面ではなく、悪い側面も持ち合わせている事も十分に理解しつつ、単純な物件の取引にとどまらず、受け入れる地域住民と移住者が互いに尊重し合って暮らしていけるように、最大限の努力を惜しまないつもりです。
京都府下全域で移住を促進されている京都移住計画さんでは、移住をするために必要な要素は、「居・職・住」の3つと定義されています。「居:居場所、コミュニティ」「職:仕事、働くこと」「住:家、住む場所」の3つです。ぐり不動産でできるのは、第一に「住」の選択肢を増やすことになりますが、もちろん、「居」や「職」に関しても、町内外の皆さんと連携しながら、できる限りのサポートしていけたらと考えています。
2.開業して1ヶ月の振り返りと2023年の目標
開業してまだ1ヶ月なので振り返るには早すぎますが、開業直後の手応えとしては「まだまだ、全然だめ」ですね。。。有難いことに、近隣の宮津市や与謝野町の不動産オーナーさんからは、物件仲介の相談も数件寄せられているのですが、伊根町内の不動産オーナーさんからの相談は今のところ皆無に等しい感じです(泣)。とはいえ、まだまだ、始まったばかり。現在、ご依頼頂いている目の前の1件、1件のクライアントに対して、よりスピーディーに結果を出せるように全力を尽くすのみかなと考えています。そして、そのコツコツと積み上げた近隣市町での実績が、口コミで伊根町内にも広がっていくことを願っています。
2023年は、まずは、伊根町内の不動産オーナーさんに「不動産屋ができたことを知ってもらう」土壌づくりの年かなと考えています。嬉しいことに、年初には、京都新聞さんと北近畿経済新聞さんにも、当社の取り組みを記事にしていただけそうですし、知人づてに、伊根町町内の物件候補もいくつかご紹介頂けそうな気配です。一言に「伊根町内の不動産オーナー」といっても、伊根町町内に在住の方もいれば、都心部や他の市町にお住まいの方もいますし、相続が発生しているのに、遺産分割協議を行っておらず、そもそもの所有者が不明瞭という場合もあります。いろんなタイプの不動産オーナーさんの暮らしを想像しつつ、情報の届け方をデジタル、アナログの両面で模索するとともに、どういった課題が流通を阻んでいるのか?という、仮説の精度を高めながら、課題解決方法の具体策も提案し続けていけたらと思います。まずは、「不動産屋ができたことを知ってもらい」、「怪しい不動産屋 から 信頼できる不動産屋」へと認識してもらえるように、愚直に、真摯に、目の前のクライアントに向き合っていきたいと思います。
3.伊根町との連携強化も目標に
ただ、1つの民間企業ができることには限界がありますので、やはり、中長期的には、伊根町さんと協働して、移住者増を目指す体制を作っていけたらと考えています。しかし、残念ながら現状の伊根町の空き家バンクは、不動産屋が関わる(仲介するor所有する)物件は掲載不可となっています。ですので、もし、空き家の利用者を見つけて欲しい!という伊根町内の不動産オーナーさんが現れても、
- 1.伊根町の空き家バンクに登録して利用者を探す。
- 2.ぐり不動産(もしくは他の不動産屋)に仲介を依頼して利用者を探す。
このどちらか1つしか選ぶことが出来ないようになっています。つまり、「連携」というより、「競合」みたいな状況になっているのが現状です。
伊根町は、京都府が定める「京都府移住の促進及び移住者等の活躍の推進に関する条例」にて、全域が「移住促進特別区域」に指定されているため、さまざまな支援制度が不動産オーナー及び移住者の双方に対して用意されています。しかし、そももそ、ぐり不動産の扱う空き家は、伊根町内の空き家バンクにそもそも登録することができないので、これらの支援制度なども利用できないのです。これって、かなり悲しい現実ですよね。。。
ただ、これまで「不動産屋が町内にない」ことが当たり前だったので、現状としてはやむを得ないのかなと思います。しかし、隣の京丹後市の空き家バンクを見れば、京丹後市と6社の京丹後市内の不動産会社と運営協定をして、魅力的で分かりやすい空き家情報の提供を行なっています。
不動産オーナー側からしても、移住検討者側からしても、利用者側の視点にたてば、どちらの仕組みが利便性が高いか?は、一目瞭然かなと思います。この課題感については、昨年の5月に伊根町長にも直接お会いする機会を頂き、しっかりとお伝えしてありますが、「まずは、伊根町内での実績をしっかりと積み上げるように」と助言を頂いております(汗)ので、まずは、自分ができることをコツコツと進めていけたらと思います。そして、然るべきタイミングにて、伊根町議会議員さんとも連携しながら、積極的な行政への働きかけも行なっていけたらと思います。
4.デジタル田園都市国家構想、相続登記義務化は追い風になるか?
また、昨年末には、タイムリーなことに、「移住支援、子100万円 来年度、支援金を加算 政府」というニュースが発表されました。この政策は、現政権の「デジタル田園都市国家構想」の一環であり、光ファイバーや5Gが通信インフラとして国内の隅々まで行き渡ることで、2027年度に東京圏から地方への移住者を年間1万にするという目標を達成するための1つの手段として位置付けられているようです。
この政策については、「補助金のバラマキだー!」など、かなり否定的なコメントも多く見受けられますが、手段はともかくとしても、政府の目指す「全国どこまで誰もが便利で快適に暮らせる社会」の実現には私も賛同しますし、そもそも具体的な移住を検討していた家族にとっては、少なからず嬉しい政策なのかなと思います。(移住ではなく、補助金獲得が目的になってしまっては本末転倒ですが。)
また、令和6年4月1日には、相続登記が義務化され、不動産の所有者に相続があったときは、相続により不動産の所有権を取得した子どもは「相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内」に不動産の名義変更登記をしなくてならない。とされました。
また、伊根町さんにも、こういった国の税制改正や、府の政策(京都府移住の促進及び移住者等の活躍の推進に関する条例等)を、積極的に町内外にアピールしていって欲しいなと思います。もちろん、私も微力ですが、こういった移住促進や、空き家の利活用促進に関する、時事ネタを取り上げて、定期的にブログで発信できたらと思います。
まとめ
10年後と今年の目標について
- 伊根町に10年で200人の移住者を受け入れる
- 開業して1ヶ月の振り返りと2023年の目標
- 伊根町との連携強化も目標に
- デジタル田園都市国家構想、相続登記義務化は追い風になるか?
元日から、すこし長文な記事になりましたが、最後まで読んで頂きまして、大変ありがとうございました。いずれにせよ、「ぐり不動産」の挑戦は始まったばかり。あせらず、たゆまず、おこたらず。そして、釣りや旅行などの、人生の楽しみの時間も、少しづづ作っていけたらなあと思います。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。