しばらく、ばたばたとして、ブログの更新ができておりませんでしたが、今回は「ぐり不動産の事務所の内装工事のこれまで」と題して、これまでの内装工事の流れなどについて書かせてもらえたらと思います。この記事が、今後の中古物件の改修を検討されている方にとって、少しでも参考になればと思います。
ぐり不動産の事務所の内装工事のこれまで
- 1.どんなレイアウトになっているの?
- 2.最初はどんな感じだったの?
- 3.どんな工事をしてきたの?
1.どんなレイアウトになっているの?
前回のブログでも書かせてもらいましたが、ぐり不動産は、旧よし田旅館のおよそ3分の1ぐらいの面積をお借りする形で営業を行っていく予定です。全体のレイアウトは、下記のようになっており、かなり奥行きのある感じになっています。
元々の建物が、昭和37年に建てられたもので、その後、昭和46年、50年と2度に渡って増築されています。その当時の伊根は、釣り&宴会&宿泊というようなお客さんが沢山来ていたそうで、旧よし田旅館も、その需要を見越して、大きく増築されたようです。2階には、当時をしのぶ、大きな宴会場もあります。大家さんのお話によると、昭和39年(1964年)に開業して、平成22年(2010年)に閉業するまで、44年もの間、旅館業を営まれていたそうです。
とても大きい建物ゆえ、全部をお借りしても、持て余してしまうこともあり、建物の南側の一部をお借りして、建物本体と区画を分けて、出入口を新たに設けるという形で、賃貸の方針を決定することにしました。ただ、私がお借りする部分は、長年、ほぼ荷物置き場として放置されており、お借りするにも「現状のまま」というのが大きな条件の1つでした。
上記が、1階部分を改修した新しいぐり不動産のレウアウトになっています。元々、細かく分けられた和室や廊下の空間をつなぎ合わせて、天井が高くて開放的な「受付スペース」と、集中して作業に没頭できる「事務スペース」の大きく2つの空間を作りました。あとは、既存の和式トイレ2つをつなぎ合わせて、ゆったりとした洋式トイレに改修したり、廊下の照明器具やトップライトを追加したり、修繕したりしました。ちなみに、2階は借りているものの、まったくの手つかずなので、しばらくは倉庫として活用になろうかと思います。
2.最初はどんな感じだったの?
田舎の古民家では、きっとよくある話で、田舎の売家の半分以上が、家財がある状態のままでの売買条件になっているのではないかと思います。今回は、売却ではなく、賃貸なので、さらに特殊なケースかもしれませんが、まずは、地道に、建物内の荷物を、こつこつと処分するところから初めていくことにしました。
しかし、荷物の量は、もともとの旅館であったことから、一般家庭よりも荷物が多く、本腰を入れて荷物やゴミの処分を開始してから、工事着工ができるぐらいまで片付くのに、3〜4ヶ月ぐらいはかかったのではないかと思います。実際に、こういった家財の一式を処分してくれる業者さんもいるにはいるのですが、一括で処分すると、産業廃棄物扱いとなり、おそらく今回の物件の荷物量だと、50〜60万円前後はかかるのではないと思います。しかし、コツコツと分別して、生活ゴミとして、少しづつ処分していけば、リサイクルゴミ以外は、町指定のごみ袋代だけで済みますので、今回は、ゆっくりと、自分で空き時間を見つけては、コツコツと分別作業をしていきました。
3.どんな工事をしてきたの?
- a.解体工事
- b.床工事
- c.壁・天井工事
- d.設備、建具工事
a.解体工事
まずは、解体。これまで、細かく分割された和室や廊下の壁や扉、そして、受付スペースの天井を高くするために、天井の一部も解体していきました。解体には、4人の大工さんが入り、2日間ほどで、おおよその解体が完了しました。建物の外に、産業廃棄物用のコンテナを設置して、そこに廃材を詰めていきます。
b.床工事
床を解体すると、地面が出てきますので、そこに防湿のためのシートを被せます。伊根の民家は、環境的にも湿度が高く、一般的に、地面からの湿気が上がって来ないように、シートを被せたりすることが多いようです。この時に、束や土台をみて、シロアリ被害がないかも確認していきます。今回は、この辺りではめずらしく、シロアリ被害は、ほとんどありませんでした。
そして、根太を順番に組んでいき、断熱材を埋め込み、その上に構造用合板を貼って、さらに、床材を貼っていきます。今回は、CAFE&BB guriや自宅でも使用して、お気に入りの、京都府産の天然杉板を貼ることにしました。杉板は柔らかい素材なので、傷がたくさん付きやすいのですが、裸足であるいても肌触りが良く、子供が転んでもクッション性が多少あること。そして、汚れとは表裏一体ですが、経年によって雰囲気が増してくることも「あじ」として、楽しめたらと考えています。
c.壁・天井工事
床ができて、足場が確保できたら、壁や天井を作るための下地を組んでいきます。また、必要な場所に、電気や給排水設備の配線や配管も同時に進めていきます。おおよその配線や配管が完了したら、下地の上に仕上げの下地を貼っていきます。今回は、受付部分はプラスターボードという石膏ボードを貼って、塗装仕上げとしました。また、事務所の内部は構造用合板(通常は下地材)を、コストを抑えるために、そのまま仕上げ材としました。
d.設備、建具工事
床、壁、天井がおおよそできたら、簡易キッチンや、トイレや洗面台、照明器具、スイッチ、コンセント、換気扇、シーリングファン等の設備を設置していきます。また、大きく改修した、新たなエントランスの建具や、室内の建具も新しいものに交換していきます。その他にも、エントランス部の波板の張り替えや、室内の棚の設置などの、細々した雑工事もありますが、これで、おおよそ完成となりました。
解体から完成まで、およそ5ヶ月ぐらいでしょうか。解体後に、建物の状況を確認して、図面化し、見積図の作成や、見積もり調整などを行っていた期間が2ヶ月ほどあったため、実質は3ヶ月程度だったかなと思います。今回は大工さんたちも、複数の現場を抱えて、とても忙しかったり、コロナの感染が拡大したことも影響して、工期に大きな遅れが生じてしまいました。正直、とてもヤキモキしましたが、なんとか、9月末におおよそ完成して、宅建業の免許申請(事務所完成が免許要件)に、滑り込むことができて、ほっとしています。
その後も、ソファー、椅子や机、プロジェクターやスクリーン、アートパネル、インターネット、WIFI、電話、複合機、植栽、看板、各所の清掃や細かい修理などなど、開業までに、やらなくてはならない事が沢山ありますが、コツコツと進めていっております。
まとめ
ぐり不動産の事務所の内装工事のこれまで
- 1.どんなレイアウトになっているの?
- 2.最初はどんな感じだったの?
- 3.どんな工事をしてきたの?
自宅やCAFE&BB guriのお店からも、めちゃくちゃ近い物件を幸運にも借りる事ができましたが、荷物の処分スタートから完成までは、おおよそ1年間ぐらいはかかったかなと思います。もちろん、お金をかければ、もっと短い時間で、完成させることは可能だったと思いますが、今回は、コストの削減や、クサモトさんでの学びの時間を確保する事も鑑みて、おおよそ、計画通りに進められたかなと思います。ただ、今回の工事に限らず、周りの知人などに聞いても、都心に比べると、こちらの工務店さんは、工期が遅れる傾向が強いことは否めない印象です。逆にいうと、それだけ、丹後エリアに、大工さんが不足気味な傾向であるとも言えそうです。
もし、ご自身で古民家を改修する際は、工事途中で色々な想定外のことも起きてきますので、工期などの想定は、あらかじめ柔軟にしておくことをオススメいたします。